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       腸内細菌叢 腸内フローラ    
人事ではない腸内細菌叢の乱れ

 ここまでお読みになって、人事ではないとお思いでしょうか? 和食を中心にしているから大丈夫とも思わないほうがよいです。
 実際のところ、次の項目のひとつでも当てはまることがあれば、腸内細菌叢には、問題があり、複数当てはまれば相当ひどいと思ったほうがよいです。

●便や放屁に強い悪臭がある
●便が、黒っぽい(濃い茶色いというのもこれにあたります)
●便が粘っこい
●便がころころしている、あるいは軟便である
●便秘がある

 こういう状態は、当たり前になっていて、特に気にしていないという人が大部分ではないでしょうか? また、排泄が毎日あるからといって、便秘ではないとはいえません。というのは、例えば、常に3日前に食べたものが排泄されているという状態だったとしても毎日排泄はあるからです。こういうのは「隠れ便秘」といいます。
 本当に腸内細菌叢のよい状態では、便は赤ちゃんの便の様に、明るい麦わら色で、悪臭もなく、適度に柔らかく、さらりとしているものなのです。たいがいの現代人は、そんな便は久しくしていないのではないでしょうか?

腸内細菌叢を改善する条件

 何を食べるにしても、リラックスして楽しんで食べることがまず前提です。というのは、交感神経の緊張を緩め、副交感神経優位の状態に切り替わらなければ、消化液の分泌も蠕動運動も正常には行えないからです。
 次には、消化能力を上回っては食べないということです。どんな内容の食べものでも、消化能力を上回って食べたものは、未消化物を生み、未消化物が腐敗して悪玉菌の激増を招くからです。
 食事の内容では、野菜や果物、未精製の穀物、豆類、海藻類、キノコ類、それにキムチ、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品が、善玉菌を増やすものです。
 オリゴ糖が善玉菌のえさになり、食物繊維がえさや住みかになり、醗酵生成物が善玉菌の活動を活性化するからです。
 乳酸菌そのものは、大部分が胃酸で死滅してしまい、腸まで届くのはほんの一部ではありますが、腸内に乳酸菌が増える条件が整っていればそこから増殖するチャンスがあります。
中でも注目したいのは、根菜類です。というのは、根菜は土の中の細菌の多い条件の中で育ちます。そのため、特に有害菌を選択的に抑え込むような強力な抗菌物質を含む傾向があり、しかも善玉菌を養うオリゴ糖を多く含む傾向があります。 根菜を煮込むと甘みが出ますが、あの甘みがいいんです。 根菜の甘み=オリゴ糖は、腸内細菌に対しては砂糖とはまるで逆に働きます。
 例えば、ゴボウは、ヨーロッパではバードック・ルートと言って、その乾燥粉末が整腸、血液浄化のための薬として使われてきましたし、ニンジンも、ゲルマン民族によって同様な目的で使われました。レンコンも漢方で同様な目的で使われてきました。
 また、リンゴやイチゴ、かんきつ類に多い、ペクチンという食物繊維も善玉菌のえさになり、しかも腸内を酸性に傾けることで、善玉菌有利、悪玉菌不利の環境を作るといわれます。リンゴが赤くなると医者が青くなるとはよく言ったものです。
 また、果物や生野菜には消化を助ける生きた酵素も含まれます。

ヨーグルトはさほど当てにならない

 ここまで読まれた方の中で、ヨーグルトはどうなのか? という疑問をもたれた方も多いと思います。実は、一言で乳酸菌といっても膨大な種類があり、人間の腸内には、生まれてすぐに住み着いた菌しか定着はしないのです。そしてそれは、主に母親から受け継ぎます。ヨーグルトを作る乳酸菌は、ヨーグルトの製造に適しているという観点で菌がセレクトされています。菌は99%は胃酸で死にますが、もし腸まで届いたとしても、それが定着する可能性はほとんどありません。
 しかし、乳酸菌が生きたまま届かなくても、醗酵生成物が、在来の乳酸菌の繁殖や活動をサポートします。とはいっても、そもそも、腸内が乳酸菌が繁殖しやすい環境なのかどうかがより重要です。在来の乳酸菌が繁殖しやすいような環境を食べ物で作ることがポイントというわけです。
 実際、ヨーグルトの効果を調べる研究では、1日になんと3リットルものヨーグルトを食べさせて研究するそうです。

 また、特に日本人の腸内環境には当てはまることだと思われるのですが、乳酸菌と善玉酵母の間には、共生関係があることも分かってきました。酵母に在来の乳酸菌をサポートさせるという考え方も成り立つのです。

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