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悪玉菌を増やす食事とは?
よく、食事の欧米化という言い方をしますが、ヨーロッパ、特に地中海圏の食事は、健康的なよき伝統があるので、こういう言い方は乱暴だと思います。その言葉がさしている、肉の多食、脂肪と砂糖の過多、食物繊維の不足などを特徴とする食事は、アメリカナイズされた食事と呼びたいと思います。
このアメリカナイズされた食事こそが、典型的な腸内細菌叢を悪くする食事です。肉を食べてはならないというわけではないと思いますが、消化吸収能力を超えて食べると未消化物が発生し、これを腐らせながら悪玉菌は激増します。特に、ブドウ球菌や、ウェルシュ菌は典型的にそうです。
また、砂糖がカンジダ菌を激増させるということはすでに説明しました。 人によっては、パンやビールに影響を受ける場合もあります。
さらに事態を悪くしているのは、日本人の体がアメリカナイズされた食事に適していないことです。つまり日本人の小腸は、欧米人よりも2〜3割も長いのです。ほかの哺乳動物で比較すると分かりやすいのですが、肉食獣の腸の長さは体長の4倍程度なのに対して、例えば草食動物の馬は、体長の10倍にもなります。
長い腸は、繊維を多く含む植物性の食事をして、
腸の中で善玉菌による醗酵をさせるのに適した構造です。つまりアメリカ人のような食事を日本人がした場合には、その弊害は日本人のほうがはるかに大きなものになるのです。
ストレスも腸内細菌叢を悪化させる
加えて、ストレスが腸内細菌叢に与える影響も大きなものがあります。NASAの研究でも、ストレスが加わるにつれて腸内細菌叢が悪化するということが証明されました。
というのは、ストレスが加わると自律神経系のうち、交感神経が優位になり、アドレナリンの分泌が増加します。そうなると、消化液の分泌や蠕動運動は抑制されます。消化はうまく行われず、未消化物が増加する上、腸の中での滞留時間が長くなります。
人間の体温が約36度であることを考えると、これでは炎天下に生ごみを長時間放置しているのと同様な状態が腸内で起こるのです。
さらには、ストレスが続くと副腎皮質から糖質コルチコイド(コルチゾール、コーチゾンなどとも呼ばれる)が分泌されますが、これは免疫系の活動を抑制し、抗体の産生を減らします。腸壁には、ムチン分泌といわれる、粘膜を保護する粘液の分泌が行われていますが、この中にはIgA抗体というものが含まれ、有害な菌の繁殖を抑制しています。それが、ストレスが加わることで減ってしまうのです。
こうしたわけで、ストレスは幾重もの理由で、腸内細菌叢を悪化させます。
ストレスを抱え、時間に追われてくつろぐこともできずにアメリカナイズされた食事をし、トイレに行く暇もないので、便意を抑制する。こんな生活をしていれば、腸内は、悪玉菌で一杯になるのは当たり前なのです。
現代人に、アレルギー疾患のほか、過敏性腸症候群、うつ、不安神経症、大腸がんをはじめとする様々ながん、そのほか様々な生活習慣病が増加しているのは、当たり前なのかもしれません。
→つづき
腸内細菌の話 1 2 3 4
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